「数学や理科はそこそこ取れているのに、英語だけ20点台のまま」「単語テストはなんとかなるのに、文になると全然読めない」「中1の途中から、何がわからないのかも本人が説明できなくなった」——英語についてのご相談は、中学生になってから急に増えるテーマです。しかも、他の教科と比べて差がはっきり出るため、お子さま自身が「英語だけは無理」と早い段階であきらめてしまいやすい教科でもあります。
英語は、前に習ったことの上に次を積む形で進む教科です。そのため、どこか一か所で足場が抜けると、その後に習うことが全部あいまいになります。逆に言えば、つまずいている場所さえ特定できれば、そこに戻るだけで急に進み出すことも珍しくありません。この記事では、発達特性のあるお子さまがつまずきやすい場所と、家庭でどう戻ればよいかを整理します。
英語でつまずきやすい5つの場所
「英語ができない」とひとまとめにせず、どこで止まっているのかを分けて考えると手当てがしやすくなります。次のうち、どれが一番近いか思い浮かべてみてください。
- 文字と音がつながっていない——アルファベットは言えるのに、単語を見て読めない。英語は文字と発音の対応が例外だらけで、読み書きに負担のあるお子さまがもっともつまずきやすい入り口だと言われています
- 単語が覚えられない——書いて練習しているのに翌日には消えている。日本語にない音の並びが多く、意味とも結びつきにくいため、他教科の暗記より負担が大きくなりやすい部分です
- 語順が入っていない——日本語と語順が違うため、単語の意味は分かっても文の意味が組み立てられない。並べ替え問題や英作文で特に表面化します
- 文法用語でつまずいている——「三単現」「不定詞」など、説明に使われる言葉自体が分からず、説明を聞くほど混乱してしまう状態です
- 書字の負担で消耗している——書くこと自体に労力がかかるため、ノートを取るだけで疲れ、内容を考える余力が残らないというつまずき方もあります
特に一つ目の「文字と音がつながっていない」は見落とされやすい部分です。単語を音読させると、知っている単語でも読み方があやふやだったり、初めて見る単語をまったく音にできなかったりする場合、ここが原因である可能性があります。読めない状態のまま単語練習を続けても、記号を書き写しているのと変わらないため、なかなか積み上がりません。
家庭でできる立て直し方
① 学年ではなく「わかる所」まで戻る
中2の内容が分からないとき、原因が中1の最初にあることはよくあります。恥ずかしいことではなく、英語という教科の構造上、当たり前に起きることです。be動詞と一般動詞の区別、疑問文の作り方あたりまで戻って確認すると、その先が一気に通ることがあります。戻る範囲は、本人が「これは分かる」と言える所までです。
② 単語は「書く」より「読めるか」から確認する
単語練習に入る前に、まず声に出して読めるかを確かめてください。読めないものを書いても定着しにくくなります。音声つきの教材やデジタル教科書の読み上げ機能を使い、音を聞いてから文字を見る、という順番にすると入りやすくなる場合があります。
③ 文法用語を、その子の言葉に置き換える
「三単現のs」と言われて固まってしまう場合、「主語が自分と相手以外の1人・1つのときは、動詞にsをつける」と言い換えるだけで通ることがあります。用語は後から覚えれば十分です。まず中身を理解し、テスト前に用語と結びつける順番のほうが負担が少なくなります。
④ 語順は「型」として色や図で示す
日本語から一語ずつ置き換えようとすると英文は作れません。「だれが→どうする→なにを」という順番を、色分けしたカードや枠として目に見える形にすると理解しやすい子が多くいます。特に、耳からの説明より図のほうが入りやすいお子さまには有効です。
⑤ 一度に扱う量を減らし、範囲を狭くする
英語は範囲が広く見えますが、定期テストで問われる形はある程度決まっています。教科書の本文を全部覚えようとするより、出そうな数文と単語20語に絞って完璧にするほうが、点にも自信にもつながります。まず一度「できた」を作ることが優先です。
⑥ 書く負担が大きいときは、書く量そのものを見直す
書くことに強い負担があるお子さまの場合、単語を10回書く宿題が学習ではなく苦行になっていることがあります。口頭で答える、タイピングで打つ、選択式で確認するなど、理解を確かめる方法は他にもあります。学校の課題として出ている場合は、担任の先生に相談すると分量を調整してもらえることもあります。
やってはいけないこと
分からない箇所を飛ばして学年の内容だけ追いかけること/読めないまま単語を書く練習を増やすこと/「小学校の英語からやり直し」と本人の前で言うこと/英会話ができれば成績も上がると期待して負担を増やすこと——いずれも、英語への拒否感を強めやすい対応です。特に、英語だけできないお子さまは「自分は英語のセンスがない」と考えていることが多く、実際にはつまずいた場所が一つ残っているだけ、という場合がよくあります。まずどこで止まっているかを一緒に探すところから始めてください。
つまずいた場所を、一緒に特定できます
ダイヤモンド家庭教師では、発達特性のあるお子さまや不登校のお子さまに、マンツーマンで指導を行っています。英語につまずいているお子さまには、まず短い文を音読してもらったり、簡単な文を作ってもらったりしながら、文字と音・単語・語順・文法用語のどこで止まっているのかを確認します。原因が特定できれば、戻る範囲は思っているより狭いことがほとんどです。書くことに負担がある場合は、口頭やタイピングなど負担の少ない方法に切り替えて進めます。オンライン指導にも対応しており、画面共有で同じ文を見ながら進められます。毎回の指導記録をお渡ししていますので、ご家庭での声かけにもお使いいただけます。まずは無料相談で、今の英語の様子をお聞かせください。
よくあるご質問
Q.英語だけが極端に苦手なのですが、学習障害の可能性はあるでしょうか?
A.日本語の読み書きには大きな困難がなくても、英語でだけ強くつまずくお子さまがいることは知られています。英語は文字と発音の対応が不規則で、日本語より負担が大きくなりやすいためだと言われています。ただし、これは指導する側が判断できることではありません。読むこと・書くことの負担が日常的に大きいと感じられる場合は、学校のスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーター、地域の教育相談窓口にご相談ください。並行して、読み上げ機能を使う、書く量を調整するといった負担を下げる工夫は、診断の有無にかかわらず今日から試せます。
Q.中学2年ですが、中1の最初から戻るのは受験に間に合わないのではと不安です。
A.戻ることは遠回りに見えますが、実際には最短の場合が多いです。分からない部分を残したまま先に進んでも、身につく量が少ないため結果的に時間がかかります。また、戻る範囲は全部ではなく、be動詞と一般動詞、疑問文・否定文の作り方といった土台部分に絞れることがほとんどで、集中して取り組めば数週間で通ることもあります。中2の段階で気づけたのであれば、受験までの期間としては十分に立て直せる時期だとお考えください。
※ 本記事は学習支援の現場経験に基づく一般的な情報であり、医学的な診断・助言を行うものではありません。お子さまの発達や健康に関するご心配は、医療機関・専門機関にご相談ください。
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