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書字・ノート読了目安 約72026.08.03 公開

字を書くのが苦手・板書のノートが取れない子へ——「怠けている」ではない書字のつまずきと、家庭でできる7つの手立て

「授業のノートがほとんど白いまま持って帰ってくる」「消しゴムで消しては書き直して、それだけで時間が終わってしまう」「何度言っても字がマスからはみ出す」——書くことに関するご相談は、学年が上がるほど深刻になりやすいテーマです。板書が写せないと授業の記録が残らず、家で復習しようにも手がかりがない、という状態になってしまいます。

そして多くのご家庭で、この状態が「集中していないから」「やる気がないから」と受け取られてしまいます。けれど、書くという行為は思っている以上に複雑な作業です。黒板を見る、覚えておく、目を手元に移す、鉛筆を動かす、線の長さを調整する——これらを同時に行っています。どこか一つに負担があるだけで、書くことは一気に難しくなります。この記事では、背景として考えられることと、家庭でできる具体的な手立てを整理します。

「書けない」の背景にあること

書字のつまずきには、いくつかの異なる要因が重なっていることが多いと言われています。お子さまがどれに当てはまりそうか、様子を思い浮かべながら読んでみてください。

  • 手先の動かしにくさ——鉛筆を思った通りに動かすこと自体に力が要る。筆圧が極端に強い・弱い、すぐ手が疲れると訴える場合はここが関係していることがあります
  • 見え方・目の動きの負担——黒板から手元へ視線を移すたびに、どこを書いていたか見失ってしまう。行を飛ばす、同じ行を二度書くといった様子が出ることがあります
  • 覚えておける量の問題——黒板の一文を丸ごと覚えて手元で再現するのが難しく、一文字ずつ確認しに戻るため極端に時間がかかる
  • 書く前の言葉の組み立て——特に作文や記述で、頭の中に浮かんでいることを文の形に整える段階で止まってしまう
  • 完璧主義からくる書き直し——少しでも歪むと気になって消してしまい、進まなくなる。ASDの特性がある場合に見られることがあります
  • 同時作業の負担——聞きながら書く、見ながら書くという「ながら」が苦手で、書き始めると先生の話が入らなくなる

こうした背景がある場合、「もっと丁寧に」「もっと早く」という声かけは効きません。本人はすでに全力で取り組んでいることが多く、努力の量ではなくやり方を変える必要があります。なお、読み書きの困難が学習障害(LD)と関係している場合もありますが、判断には専門機関での相談が必要です。ご心配な場合はスクールカウンセラーや自治体の相談窓口に一度つないでみてください。

家庭でできる7つの手立て

① 「全部写す」をやめて、写す量を減らす

板書を丸写しすることが目的ではありません。日付と単元名、そして先生が「ここ大事」と言った部分だけ書く、というルールに変えるだけで、授業についていける子は多いです。全部書けないから諦める、より、少しでも残るほうがずっと役に立ちます。

② 書く道具を変えてみる

鉛筆の太さ、グリップの有無、シャープペンシルの芯の硬さ——道具が合うだけで負担が変わることがあります。マス目が大きいノート、行間の広いノート、下敷きを外す・使うといった調整も試す価値があります。数百円で試せることなので、いくつか用意して本人に選んでもらうのがおすすめです。

③ 写真・プリント・タブレットを使う

板書を写真に撮らせてもらえないか、穴埋め式のプリントをもらえないか、タブレットで入力してよいか——学校に相談すると認められるケースが増えています。「みんなと同じ方法でなければならない」という前提を外すだけで、授業内容が手元に残るようになります。

④ 書く代わりに話してもらう

理解しているかどうかを確認する場面では、書かせる必要はありません。口で説明してもらう、選択肢から選んでもらう、という形にすると、書字の負担を外した状態での本当の理解度が見えます。「書けない=わかっていない」ではないことが、ここではっきりします。

⑤ 消しゴムを使う回数を減らす工夫

書き直しで止まってしまうお子さまには、「間違えたら一本線で消して隣に書く」というルールを先に決めておくと進みやすくなります。ノートは提出のための清書ではなく自分用のメモである、という位置づけを家庭で共有しておくことも助けになります。

⑥ 手を疲れさせない時間の区切り方

手先に負担がある場合、20分続けて書くより、5〜10分書いて一度手を休める形のほうが総量は増えます。宿題の量が多いときは、時間で区切って「今日はここまで」と決め、残りは先生に相談する前提で切り上げてよいと思います。

⑦ 字の形より「読めるか」を基準にする

きれいな字を目指すと終わりがありません。「自分と先生が読めればよい」という基準に切り替えると、指摘の回数が減り、書くこと自体への抵抗も下がっていきます。字形の練習が必要な場面はありますが、日々の学習とは分けて考えたほうが続きます。

やってはいけないこと

書き直しをさせる回数を増やすこと/「丁寧に書きなさい」とだけ伝えること/宿題を終わるまで終わらせないと決めること/きょうだいや友だちのノートと比べて見せること——いずれも、書くことへの抵抗を強め、勉強そのものから離れる原因になりやすい対応です。書字は練習量だけでは伸びにくい領域で、量を増やすと苦手意識だけが残ってしまうことがあります。まずは負担を減らす方向で調整し、その上で必要な練習を短時間だけ組み込むほうが、結果的に前に進みます。

「書けないから点が取れない」を分けて考えられます

ダイヤモンド家庭教師では、発達特性のあるお子さまや不登校のお子さまに、マンツーマンで指導を行っています。書字に負担があるお子さまには、書く量を絞った進め方、口頭でのやりとりを増やした確認の仕方、タブレットや写真を使った記録の残し方など、そのお子さまの負担が小さくなる形を一緒に組み立てていきます。学校への相談の仕方についてもご一緒に考えられますし、毎回の指導記録をお渡ししていますので、そのまま先生との相談材料にお使いいただけます。まずは無料相談で、今のノートの様子やご心配な点をお聞かせください。

よくあるご質問

Q.字が汚いだけで、テストの点は悪くありません。それでも気にしたほうがよいでしょうか?

A.点が取れているのであれば、字形そのものを急いで直す必要は高くないことが多いです。ただ、「書くこと自体に時間や体力を使いすぎていないか」は見ておかれるとよいと思います。同じ内容を書くのに人より疲れている場合、学年が上がって記述量が増えたときに負担が表面化することがあります。今のうちから書く量を絞る工夫や道具の調整をしておくと、後が楽になりやすいです。

Q.学校にタブレットや写真の使用をお願いするのは、わがままだと思われないでしょうか?

A.近年は学習の進め方について柔軟に対応する学校が増えており、相談自体を特別なこととは受け取られにくくなっています。お願いするときは「字を書かせたくない」ではなく「授業の内容が手元に残らず復習ができないので、記録の残し方を相談したい」という形で、困っている具体的な場面を伝えると話が進みやすいです。担任の先生だけでなく、スクールカウンセラーや特別支援コーディネーターの先生に同席いただくのも有効な方法です。

※ 本記事は学習支援の現場経験に基づく一般的な情報であり、医学的な診断・助言を行うものではありません。お子さまの発達や健康に関するご心配は、医療機関・専門機関にご相談ください。

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